2012年4月10日火曜日

ブルーマウンテンツアーで知り合ったイギリス人紳士



オーストラリア滞在の最後に、ブルーマウンテンツアーというのに参加しました。





ブルーマウンテンは、シドニー郊外にある自然豊かな山で、

シドニーの人たちもよく日帰旅行などで訪れる人気の観光スポットだそうです。

私は単にブルーマウンテンを訪れるだけではつまらないので、

どうせなら近くにある世界最古の鍾乳洞ジェノランケーブもオプションでついているツアーに参加しました。


ジェノランケーブの近くにあった不思議な感じの池↓










ジェノランケーブ入口↓






ジェノランケーブは3億5千万年前にできたものらしく、世界最古の鍾乳洞だそうです。










その世界最古という謳い文句に、どれだけ凄いものなのかと期待していたのですが、

意外とあっさりしていて、厳かさを感じさせ、感動を呼び起こさせるようものではありませんでした。


洞窟を出た所にいた大きいトカゲの方にびっくり↓





ここから場所を移動して、ゴンドラに乗って、





熱帯雨林のなかを歩きまわったりしました。











訪れた場所はすべて観光地化されたような感じになっていて、体を動かして自然を満喫するというよりは、

乗りものばかりに乗っていたという印象の残るツアーでした。


このツアーはシドニー在住のイトコRと行ったのですが、どうしても日本人同士となると日本語を使い、

せっかくまわりにいる外国の人たちと話さなくなるので、

この場所では少なくとも英語で何か質問しようとか、このツアーに参加している人に話しかけてお友達になっちゃおう!

などと二人で決めていました。


帰りのバスで、これでこのツアーもおしまいか、、、

などと話していた所、最後にバスを下ろされたのは、なんとフェリー乗り場でした。


どうやらシドニーの街までは、船で川を下って行くというちょっと粋なイベントを最後に盛り込んであったのでした。

それまで私達はツアーの参加者に話しかける機会はあったものの、あまりお近づきになるほど話しこむというほどのものではありませんでした。

これが最後のチャンスかなぁ~、と私は思っていました。





船が岸をゆっくり出発し、心地良い向かい風をうけながら進んでいくなか、

さて、どこに座ろうかな~と見まわしていると、景色のよく見える先頭のベンチに、

鍾乳洞で少し話をしたイギリス人紳士が腰かけていました。


お、これはチャンスだ、と思いさっそく彼の横に腰かけ、このクルージングもツアーに含まれていましたっけ?

などと話し始めました。


彼はやさしい笑顔でカバンに入っていたパンフレットを取り出して、ほら、ここにちゃんとクルージングもあるって書いてあるよ、

と説明してくれました。


彼は仕事でオーストラリアに来ていて、最終日に息抜きにこのツアーに参加したということでした。

なんとも羨ましいことに、彼のオフィスは自宅、すなわち自分で会社を経営しているので、通勤の必要がないのだとか。

オーストラリア旅行のこと、イギリスでの生活のこと、語学のことだとか、スポーツのことだとか、思いつく限りのあらゆる質問をして、

景色を楽しみつつ、会話が弾みました。


そのうちイトコのRも加わって、さらに会話に花が咲きました。

その流れで、イトコが、よかったらこのツアーの後に一杯やりませんか、などと少し冗談半分で誘ったのですが、

イギリス人紳士は、いや~、ちょっとね~などといって断っていました。

イトコは別に気にする事もなく、色々と話を続け、

どうやって今の仕事についたのか、どうすれば自分にあった仕事がみつかるかなどの、少しディープな方へと話しが向かいました。

そのイギリス人紳士は、メガネの奥でやさしい目を輝かせて、イトコの質問にもゆっくり実に丁寧に答えていました。

少し会話が途切れた所で、私が、あ、そういえば私、いまこんな本を読んでいるのですが、著者のこと知ってますか?

などと質問してみた。


その時、もっていっていた本がコチラ↓


一瞬で自分を変える法―世界No.1カリスマコーチが教える



あ~、知ってるよ、色々各地で自分の心をどうコントロールしていくかを講演したりしている人ひとだよね、とても有名だよ!

との答えであった。

ちょうどその紳士は、仕事関連の話しをしていて、自分はどのように考え、どのようにして今の仕事についたのかなどを説明してくれていたので、

とてもグッドタイミングであったようでした。


あっという間に時間が過ぎ、シドニー港が近づいてきました。










とても充実した時間をすごせたなぁ~、ツアーの最後の最後で、どんでん返しだったなぁ~などと思っていた所、

船を降りる間際に、例のイギリス人紳士が声をかけてきました。

二人とも、近くにいい店があるからよってかない、一杯やろうよ!

と。

私達ふたりは一瞬ボー然としてしまいましたが、即座に行く、行く、行きますと答えていた。


連れていって頂いたのは、ロックス地区の老舗パブ。

彼はおごるから、といって、ビールを三つ注文し、私たちはそろって屋外の木の席に座った。

まずは乾杯して、一口くちに含むと、柑橘系のさわやかな味が口中に広がった。

なんですか、これ?

と私はびっくりして聞くと、これは“three sheets”というすぐ近くの醸造所でつくっている地ビールで、私はこれが好きなんだよ~

と言っていた。

うめ~、こんな美味しいビール初めてですよ、といいつつ、ビールをちびちびやりながら、

私たちは、それぞれの国の文化や自分の趣味のこと、好きな映画やコメディーなど、あらゆることに話しが広がりました。

どの位話しこんでいたのだろうか、その紳士はそろそろ行かないと、という。

私はせっかくだからとEメールアドレスを交換しました。

そして別れ際にお互いに固い握手をして、そのイギリス人紳士は去って行きました。


残された私とイトコは、まだ会話の余韻に浸っていた。

いい人だったね~、色々話せて楽しかったね~、思いきって声をかけてみてよかったね、などと。

しかし最初に飲みに行きましょうと誘ったときにやんわりと断られたのに、どうしてパブに誘ってくれたんだろうね

と話していた。


一つには、イトコが表面的な上っ面の話しではなく、その人の生き様に興味をもって仕事のことなどの質問をしたからなのかなぁと思いました。

もう一つは、もしかしたら、私がたまたま持って行っていた本がヒットして、私達がどのような人間なのかを推察したからなのかな、などと思いました。


この本は、人はどのようにしたら生き生きと積極的に生きられるのか、ということを一つの主題としていたので、

まさにそれを実行するとともに、その本自体が新たな友人をつくるきっかけとなってくれたような気がしました。


私はこの本を読む前から、何事に関しても、一歩足を踏み入れ、+α何かしてみることの大切さを感じていましたが、

今回その+αを実行してホントに良かったなと、心の底から思いました。


また他にこの本の中で印象に残っている個所があります。

それは、現実をいかに捉えるか、に関してです。

ある現象に遭遇したときに、

ふつう人はものごとを決まり切ったいつもの自分のパターンに従って反応します。

しかしそれは選択のひとつであって、実は私達はもっと別の反応の仕方もできるというものでした。

たとえば、つらいことにあったら、あー辛い目に会った、やな体験だった、、、

などとネガティヴに捉えて終わってしまいますが、

ある人はよりポジティヴに反応し、その体験を自分の糧として自らをより良い方向へと導いていきます。

つまり同じ体験をしても、それを私達がどう解釈するかによって、その体験を活かすことが出来るか否かが変わってくるのです。


たとえば、人は殴られれば痛い、なんてひどいことをするやつだと相手をののしることでしょう。

しかし考えてみてください。

アントニオ猪木に、殴って下さい、とわざわざ頼んで、思いっきりビンタされ、恍惚の表情を浮かべている人がいるじゃありませんか。

あれがまったく知らない人、あるいは自分の嫌いな人にされたことなら、同じ体験をしても、そんな恍惚とした表情は浮かべないでしょう(笑)。

つまり体験を解釈する私達自身に、この世界をどうとらえるかの選択がゆだねられているのです。

上の例はとても極端ですが、日常のあらゆる場面で、それらをどう解釈するかは、とても大きな違いとなって現われてきます。

たとえばキリスト教徒なら、たいへんな事が身に起こった時にも、これは神が自分の成長のために与えたもう試練であると解釈して、勇んで物事に対処するかもしれません。

たとえば人に嫌な言葉をかけられたときにも、それを嫌なこととして自分を痛めつけているのは実は自分自身です。

そこで例えば、私達は芝居(劇=play)をしているんだ、と考えてみるとどうでしょう。意外と物事を軽く考えられるようになります。

また受験の時に、これは人生を決定する一大事だ、と思っていると緊張してしまい実力を発揮できないかもしれませんが、

所詮ゲーム、ゲーム、あそび、あそび、と心の中で言ってみると、リラックスして試験に臨めます。


私はことばとは自転車のチェーンのようなものだと思っています。言葉というチェーンによって、歯車(人の心)が動きます。

歯車(ひとの心)が動いて、チェーンを動かし(言葉を発して)、次の歯車に力を伝達する(人の心を動かす)、

私達は生まれてこの方、歯車の歯を鋭敏にして、チェーンをうまく引っかけることを延々訓練してきました。

しかし発せられた言葉なんて、所詮空気の振動に過ぎません。それを力と捉えるのは私達自身です。

おそらく“出来たひと”というのは、ことばというチェーンが動いてきたときにも、

自分の歯車の歯を引っ込めて力をスルーさせて、どこ吹く風の境地でいることができるのかな~などと思います。

また、現実の解釈を変えるというのは、ギヤをチェンジして、軽い方にシフトするということになるのかな~などと思います。


車でいうなら、アクセルの踏み込みに応じてすぐに反応してしまうのが普通の人だとすると、

達した人というのは、自在にギヤを操りつつ、好きな時にニュートラルにとどまることが出来て、どんな時でも穏やかに過ごすことが出来るのかな~というイメージです。


仏教には、色即是空 、空即是色 ということばがあります。

色(形あるもの、物質)は、そもそも空(実体のないもの)であるという教えです。

もともと空気のような音を実体のあるもの(色)として捉えているのは、実は私達自身なのです。

神様が無から有を生み出すとするなら、それと同じ事を毎日やっているのが人間だという気がします。

ある事態を重大(重いもの)深刻な(深く刻まれた)ものとして捉え、自らを疲弊させているのは、究極的には自分自身なのです。

そこら辺のことがわかってくると、それを逆手に利用して毎日を軽やかに楽しく生きられるのかな~などと思います。


少し脱線してしまいましたが、そのイギリス人紳士の話しに戻すと、

旅行から戻ってさっそくEメールを出しました。

ビールをおごってくれたこと、楽しい会話のことなどなど、お礼をつづりました。

しばらくして、家族の写真が添付されたメールがとどきました。

少しとまどいつつも、そこまで親しく思って頂けることに感謝して、私も身の回りで有ったことなどを詳しく書いたりして、メールのやりとりをしています。

彼によると彼の地元には、かの"three sheets"よりも美味しいビールがあるのだとか、

私はいつかイギリスを訪れたときに是非連れていってくださいとお願いしてしまいました(笑)。


あ~、一歩前に踏み出してみてよかったなぁ~と思うエピソードの紹介でした。

おしまい



P.S.

明日、4/11(水)このブログで紹介したヤマト実写版がTBSで21時から放送されます!

興味のある方は是非!

『SPACE BATTLESHIP ヤマト』
http://www.tbs.co.jp/premier-cinema/




参考:


アマゾン:
一瞬で自分を変える法 アンソニー・ロビンズ/著 三笠書房 2006

アメリカで最も有名でパワフルで影響力のあるコーチ、アンソニー・ロビンズの代表作にして、全世界で1000万部突破した大ベストセラー!

「本書の本質を一言で言い表わすとすれば『結果を出せ!』ということ」----この本はその言葉どおり、「自分の可能性を100%発揮して、望む結果を出す」ためのノウハウがつまった成功バイブルです!

内容(「BOOK」データベースより)
本書は、コーチングやNLP理論などを元に、著者が実体験で得た能力開発の具体的方法を集大成したもの。刊行されると同時に大反響を呼び、全世界で1000万部を突破するベストセラーとなっている。



ブルー・マウンテンズ国立公園(ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%B3%E3%82%BA%E5%9B%BD%E7%AB%8B%E5%85%AC%E5%9C%92

0 件のコメント: