2010年4月12日月曜日

下関陶器の旅 ≪その7≫ ~山根清玩氏の窯元 光彩庵へ~



自転車を使ったため午前中で萩市内のおおよその観光名所、陶器を扱う土産物屋さんを回れたので、

午後は昼抜きのまま山根清玩氏の窯元へ行く事にしました。

といっても、土産物屋さんに寄るたびに、萩名物の
殿様巻きだとか、夏ミカンの丸漬けだとかを試食しまくっていたので、それほどお腹は減って無かったのであります。


山根清玩氏をどのようにして知ったかというと、初日に東萩駅の観光案内所で宿を紹介して頂いたときに、

実は陶器に興味があって、新鋭の作家さんなどいたら紹介して頂けないだろうか、と尋ねたところ、

それなら山根清玩さんね、と住所と電話番号を教えてくれたのでありました。そのとき見せられた雑誌に載っていた青い陶器を見て、これは行かねば、、、と思ったのです。

確か観光案内所のおばさんは、定光(さだみつ)さんという名だったように思います。たいへんお世話になりました。有難うございます。

m(_ _)m


定光さんによると、山根清玩氏の窯は駅から10キロほど離れているが、電話をすれば迎えに来てくれるとの事。

東萩駅に昼過ぎに行き、そこの公衆電話から電話をしてみると、いま迎えを出すからそこで待っててくださいとのこと。

寒風吹きすさぶ中待つこと20分、ホントに迎えに来てくれたのでありました。


迎えに来て頂いたのは奥さんで、車に揺られること15分ほどで到着。

ここが山根清玩氏の窯元 光彩庵




萩市内のおみやげ物屋さんで幾つかあの美しい清玩ブルーを見ていたのですが、あるわ、あるわ、さすが窯元。 しかもお値段もリーズナブル




山根清玩氏の作品は、その独特の深い青色が特徴ですが、青以外の色も焼いているようでした。




そして、彼が山根清玩氏。作業中のところをお邪魔させて頂きました。









これは陶器にあのブルーの色を出すためにつける釉薬(ゆうやく)を作っているところです。




すべて天然のもの(稲藁と灰)だけだそうで、それも偶然あの色になったそうです。これは色付けする前の陶器↓









いまからロクロを回すから見に来なさいといわれ、ついていきました。

すぐに粘土をこね出しました。そのこね方がリズミカルで、柔らかく、プロだなぁ~と感心して見入ってしまいました。





あとから聞いたところによると、若いころ少林寺拳法を習い、その後空手をやり、今でも師範として空手を教えているとの事。

あの体つき、土のこね方などに妙に納得するものがありました。


最初にお会いした時に気づいたのですが、上下ともに青のジャージだったのが少しおかしかったです。さすが青にこだわっているだけあります。

ロクロを回し始めました↓



















粘土をこねながら、ロクロを回しながら、色々陶器に関する事などを説明してくださいました。



サラリーマンを辞めて、一から工房を立ち上げ、施行錯誤している中で、偶然あの青が出たのだそうです(すでに始めてから25年!)。

色々釉薬の勉強もしたが、どうしてその色になるかは今でも分からないといいます。



同じ窯で焼いても、一枚一枚焼き具合が異なり、自分が狙った通りになったり、偶然にいいものができたりと、その都度異なるのがたまらなく面白いとの事でした。

また最高の思考は、無意識の時である、といっていたのはとても興味深かったです。

さすが芸術家です。これは仏教にも通じますなぁ。道は違えど、極めていくと同じところに到達するのでしょうか。


清玩氏は青意外にも焼くのですが、やはり多くのお客さんはあの宇宙のような青に惹かれてここに来るのだそうです。(私もそうでしたが、、、)

清玩氏は、将来的に美しい人の顔を焼きたいとおっしゃっていました。そういえば工房のあちこちに女性のポスターが貼ってありました。


適当な所で話しを切りあげさせて頂き、また陶器の置いてある所で買うものの品定めに行きました。





















いいものがたくさんあって、とても迷いましたが、普段使うものとして買ったのが、このシリーズの
一番最初に紹介した食器です。


手で持って帰るつもりでいましたが、かなりの量になってしまい、1000円で送ってもらえると言う事なので結局送って頂く事にしました。

この工房では、3000円ほどで焼き物体験もさせて頂くことが出来るそうで、自分のオリジナルのものを作り、あのブルーの色をつけて後日送って頂けるそうです。

次回は是非挑戦させていただこうと思いつつ、工房をあとにしました。


帰りもまた奥さんに送って頂きました。

私は萩が初めてで、午前中に萩市内を回っただけだと言うと、帰りがけにわざわざ大回りして、近くの観光名所(椿群生林、笠山火口、厳島神社)を案内して頂きました。

周辺地図

まず最初に訪れたのが半島の先にある椿の群生林。(自然のものだそうです)

















今年は椿の花が少なかったそうですが、例年はこの道が落ちた椿の花でいっぱいになるそうです。




このあとに連れていって頂いたのが、笠山の噴火口あと







またここには展望台もあり、眺めは最高でありました↓









ここから見えている島の一つから、陶芸に使う土を運んでいるとか。




萩市内もちゃんと見えました↓




しかしこの日は風が強くて、寒かった、寒かった。。。


で、最後に連れていって頂いたのが、風穴とすぐ近くにある厳島神社です。









この火山岩の隙間から常に冷気が出ていて、夏でも寒いほどだそうです。




こちらが厳島神社と明神池














ここは池といっても海とつながっていて、海の魚やエイなどが泳いでいたりするのが見られるそうです。面白いですね。









こちらが鳥居と本殿↓









お参りさせて頂き、神社をあとにしました。




また駅まで送って頂き、ついたのが夕方の5時過ぎでした。とても中身の濃い、充実した一日でした。

締めくくりとして、この日は近くの温泉にいって一日の疲れを洗い流しました。


猫屋敷の宿に戻ってから、またおばあさんの心のこもった魚尽くしの料理を頂きました。






つづく、、、


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