2009年12月1日火曜日

言語表現と数学的思考






先週のクローズアップ現代で、日本人の若者の言語力が衰えているのではないかということをやっていました。

冒頭にサッカー日本代表が出ていて、??と思った方もいると思いますが、

日本代表が国際試合でなかなか結果を出せないのは、意思の疎通がうまくいっていないから、






チームメイトに自分の意志をうまく表現できないからではないかという分析がなされているのだそうです。

現在日本代表を要請する機関では、サッカーの練習のほかに、言葉で自分の言いたいことを説明する訓練もしているそうです。


言葉で自分の言いたいことを表現できるようになるという訓練は、どの分野に限らず大事だと思います。

一時期、すぐにキレる子供が問題になったことがありますが、

これも自分の思っていることをうまく言葉で表現できないので、

いきなり暴力に訴えるしかない状況に子供があるからではないかと言われていました。

自分の内面にあるものを何も話さなければ相手に伝わるのは0ですが、言葉で表現すれば30-70ぐらいは相手に伝わり、

いきなり暴力によって相手に100伝えるよりもずっと穏便に済ますことができます。

言葉をうまく使えれば、怒りのような感情もうまくガス抜きをすることができると思います。


少し余談になりますが、すぐにキレる子供が問題化した時に私が思ったのは、

確かに多くの識者の方々が指摘したように言葉による表現がうまくできないからというのもあったのかもしれませんが、

漫画ドラゴンボールの影響が相当あったのではないか、と私は秘かに思っていました。

ドラゴンボールの中で、主人公の悟空がプッチンとキレて、スーパーサイヤ人という最強の戦士になる瞬間があるのですが、

キレること= カッコイイこと

というイメージがこのシーンによって多くの少年の心に植え付けられたのではないかと私は思います。

ドラゴンボールはトータルで一億冊以上売れたといわれ、このシーンは子供の行動形態に相当大きな影響を与えたのではないかと私は思っています。

※ドラゴンボール27巻より↓





識者の方はあまり漫画は読まないからかこういったところの影響を考慮しないのかもしれませんが、

子供はこういうところからの影響を知らず知らずのうちに自らの内に取り入れているように思います。

そういえば、養老猛さんがドラゴンボールを読んで、人(?)が修行によって成長していくというすばらしい漫画だと評していましたが、

識者でも読む人はちゃんと読むんですね。


おっと、だいぶ本筋からそれてしまいましたが、

私がクローズアップ現代を見ていて少し引っかかったのが、番組内で紹介されていた次の文章です。

「僕がこの本を選んだのは、目次です」






私はこの文章を見て、えっこれのどこがダメなんだろう?全然OKジャンと思ったのですが、

この文章は論理の飛躍した文章なのだそうです。




これは以下のように書き直されるのが正しいのだそうです。




えーー、それは違うんじゃない?

最初の文章の方が勢いがあり、それ単独で十分意味もわかるし、

そのあとに説明が来るんだなということが予想されるシンプルでいい表現だと思うのですが、

"本来はこうあるべき"として提示された正しいとされる方の文章は、しつこくて面白みに欠ける無粋な文章だなと感じました。


もうひとつダメな表現として以下のような文章が挙げられていました。




これは確かにだらだらと思いついたままに書いたダメな表現の例で、単に文章を書くことの訓練不足かなという気がします。


しかし前者の文章はダメな文章の代表例としてあげるほどのものか??と番組を見ていて強く思ったのです。

日本の文化は「引き算の文化」で、ものごとをシンプルにしていくことが好まれますが、それは文章に関してもいえます。

たとえば、、、

古池や蛙飛び込む水の音

という有名な句がありますが、上の論理からすると、

私は古池に蛙が一匹ぽちゃんと飛び込む音を聞いて、いいなぁ~と思いました、マル、、、

本来はこれが正しい表現です、、、ってことなりますが、そんなわけないでしょ!!


確かに番組で紹介していたように、

情報媒体や社会状況の変化によって






若者世代に言語能力が低下しているという傾向がみられるのかもしれません。

しかし先に示した程度の文章をダメな文章の見本としてあげるのにもなんか問題があるように思うのです。

私はこれを見たときに、自分のある体験を思い出しました。



つづく、、、




参考:

クローズアップ現代
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku2009/0911-4.html

ドラゴンボール
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%B4%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%AB







2 件のコメント:

ikte2 さんのコメント...

ドラゴンボールに関わらず、
漫画の中では現実からぶっ飛ぶことで
スレトスを発散するんだけど、
その時必要な超能力や戦闘能力などの
根拠として中二病的にキレて
潜在能力が発現した!!!
という説明が多いので
キレることがかなり肯定的に漫画の中では
扱われちゃうよね…
そう考えると、キレないで問題を解決する
という漫画は上手くいけば
斬新で売れるかもしれないのかな!??

彦兵衛 さんのコメント...

ikte2 さん、コメント有難うございます。

確かに漫画などは現実で出来ないことが展開されることでスッキリ感を味わえるというのはあるでしょうね。

というかそれが漫画などのファンタジーの醍醐味でしょうが。

>キレないで問題を解決するという漫画は上手くいけば斬新で売れるかも、、

そうですね。キレて変身して、、みたいなのは使われ過ぎているので、キレないで物事を円満に解決していく特殊能力?みたいなのがあったら、

逆に、おっ!という感じになるかもしれませんね。