2009年11月28日土曜日

かんてんパパカレンダー到着!





毎年年末の恒例行事となっている
かんてんパパでのネットショッピングをし、楽しみにしていたかんてんパパカレンダーをゲットしました。




カレンダーの風景を撮影しているのはかんてんパパ会長の塚越氏で、腕前はハッキリ言ってプロ並みです。

塚越氏に関しては当ブログでも何度かその
素晴らしい経営哲学を紹介してきましたが、

写真を通して、塚越氏の地元を愛する気持ちがひしひしと伝わってきます。

カレンダーの風景はすべて地元長野県伊那市を撮影したもので、

毎月めくるごとに、季節によって変わる日本の原風景のような心あたたまる景色があらわれ、毎日楽しませて頂いてます。


なぜ毎年年末に買い物をするかというと、ハッキリ言ってこのカレンダーが欲しいからです(笑)。

またもともと5000円以上買うと送料が無料になるのに加えて、

年末には
期間限定プレゼントとしておまけがつくのでこの時期にまとめて5000円をちょっと越えるぐらいまとめて買うことにしています。


私が毎年買っているのは、ヘルシーな海藻サラダ↓。




もちろん、かんてん入ってます!


今年はちょっと変わったものとして、
くらかけ豆なるものがあったので買ってみました。(300g 450円)

説明を見ると信州特産の豆で、、、




この時期にしか販売しないということ、そんなにグラム単価も高くないということで買ってみました。

さっそく煮てみましたが、





大豆ほどしつこくなく、あっさりとして、シャキシャキとした食感もあり、なかなかグッドでありました。

腸内でたんぱく質を作れないヴェジタリアン彦兵衛にとっては、アリガタイたんぱく源であります。


あとは変わり種として、沖縄の海の塩
というものもあったので買ってみました。




これはまだ開けてないのですが、ミネラルが豊富だそうで、サラダにひとつまみサラサラとかけて食べるのが楽しみです。

表面のラベルに色々とシールが貼ってありました。




う~ん、なんか優秀なお塩のようです。


さて今年おまけとして付いてきたのが、




ぱぱ米粉ケーキの素」と「ドライフルーツミックス」のセット(売価780円)です。

パッケージの説明の通り、卵とニューニュー(彦兵衛用語:牛乳)を用意しなければならないようですが、ニューニューはなるべく飲みたくないので、

トーニューを投入してみようと思ってます。


さて、もう来年のカレンダーが来るというのは、いよいよ年末という感じです。

いつも聞いているラジオ英会話も来週の月曜からは、12月号に入ります。

12月号の最初にクリスマスにちなんだ英文として、次のようなものが挙げられていました。


You get the best out of others when you give the best of yourself.

(自己のベストを与えれば他人もベストを与えてくれる)

He who obtains has lttle. He who scatters has much.

(得るものは財少なし。播くものは財多し)


テキストによると上は、アメリカのタイヤ王H.S.ファイアストーンのことば、下は中国の老子の言葉だそうです。

どちらも人にまず与えることの大切さを説いているようです。


私は老子はひと通り読んだのですが、老子にこんな言葉があったのか、、、と疑問におもい調べてみました。

すると、老子道徳経の一番最後〔第81章 信言は美ならず〕に、それに該当することばがありました。

ついでなのでその章の全文の口語訳を載せておきます。

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実のあることばは飾りけがなく、飾りたてたことばには実がない。

りっぱな人物は口上手でなく、口のうまい人はりっぱな人でない。

本当の知者は博(ひろ)くはなく、博い物知りはほんとうの知者ではない。

聖人はものを蓄めこんだりはしない。何もかもすべて他人に与えながら、かえって自分はますます豊かになる。

天の道-自然のはこびかた-は、すべてのものに利益を与えて害を加えることはない。

聖人の道-やりかた-は、いろいろなことをするとしても、他人と争うことはない。


金谷治 『老子 無知無欲のすすめ
講談社学術新書 1997 p.240-241 より

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私は老子の

天は無為にして、しかも為さざる無し

(天はことさらに何かをしているわけではないが、すべてを育んでいる)

という言葉が好きで、山などに行って鬱蒼と茂った森を見るといつもこの言葉を思い出します。

今回の英文に紹介されていることばも、どうやらこの文脈に沿ったもののようです。

つまり天がすべてをなんの見返りも期待せずに与えているように、まず自らもっているものを相手に与えなさいということのようです。

天の理に沿った行いを心がければ、自ずと自らも豊かになっていくということのようです。

これは期せずして、本日紹介したかんてんパパの経営哲学とも通じるなぁと感じます。

目先の利益を得ることよりも、まず働く社員や、地域のこと、お客さんが喜ぶことを第一に与えるというのは、まさにこの天の理に沿った経営なのかなと思います。

遠回りなようであっても、結局こういう根の太い会社が末永く残っていくのだろうなと思います。


また、地上に生きる私たち一人ひとりも、現在の環境問題をはじめとする様々な社会問題を見るにつけ、

老子が説くような天の理に沿った生き方にしていくようにしないと、

長くこの地上に人類が生き残っていくことが、益々難しくなっていくように思います。

それには、欲望を煽って満足を得るという方向ではなく、

おそらく老子の説く

足るを知る」= 欲望を少なくして満ち足りていることを知る


という方向なのかなという気がするのです。

結局満足とは、餓えていない状態、常に欲しい欲しいという不満足感に駆り立てられていない状態ということになります。

その心の平衡状態を達成するのに、その欲求を常に100%満足させようとする道と、その欲求自体を少なくしていくという方法があると思うのですが、

古来からの聖賢が説くところは、欲求を追求していくと、塩水で喉の渇きを癒そうとするようにますますその欲求がエスカレートしていくので、

欲求を少なくしていく方向にもっていきなさい、と説いているように思うのです。

では欲求をどの程度にしていけばいいのかということになりますが、それは各自が自らの分度、身の丈というのを考えて、

いまいる時点でのそれぞれにおける調和点を見出していくということになるのだと思います。

方向としては、やはり生活をシンプルにしていくというのが喉の渇きを癒す賢い方向なのかなと思うのです。


おしまい




参考:

老子―無知無欲のすすめ (講談社学術文庫)



2009年11月27日金曜日

仙人食!?~ その弐 ~



なんと彼女の腸の中には、

牛などと同じ腸内細菌


がいて、野菜からたんぱく質を生産する機能を備えていたということが分かったのだそうです。

このような細菌はすべての人の腸内細菌にある一定の割合で存在するそうなのですが、

体が小食の状態にさらされることで、この細菌の割合が通常の人の何倍にもなったのではないかと推測されるそうです。


また血液を調べると、免疫を司るインターフェロンαの値が通常の人の四倍ほどもあったのだそうです。

甲田医師の指導をうけて小食や断食を実践している人たちは、おおよそこの値が常の人の2-4倍ぐらいあるそうで、

したがって、ガンなどが治ってしまうのもこのような数値から裏付けられたそうです。


前に90代にして現役の医師である
日野原さんの食事内容をとりあげましたが

彼の食事内容も相当な小食です。

90代で医師の仕事をこなし、執筆もし、その他諸々のことをやって一日睡眠が3-4時間というのは、

"小食にもかかわらず"というべきではなく、おそらく"小食だからこそ"できるのだと思われます。

日野原さんは牛乳を飲み、肉も食べているようですが、その量がとても少ないのでまったく問題ないのだと思います。

牛乳は、もともと仔牛が数か月で体重を2倍とかにしてしまうほどの爆発的な栄養素を備えていますが、

そのような物をふつうの食事でカロリーを十分にとっている大人が毎日摂取していれば、

体にそれなりの変化(ガン細胞の促進化など)が起きない方がおかしいと思われます。

食事で大事なのは、その量と質といえるでしょう。


私はナムカイ・ノルブ リンポチェの次の言葉を思い出します。

「どんな体に良いものでも、取り過ぎれば毒となり、毒も少なく取れば薬となる」

これはチベット医学に伝わる教えなのかどうか定かではありませんが、食の本質をよくとらえていると思います。


世界各国の長寿地域の人たちは、牛乳あるいはヨーグルトを取っていることが多いそうなのですが、

彼らはもともと野菜をたくさん食べ、また食事全体のカロリー摂取量もおそらく、先進国の平均的なものより少ないのだと思われます。


※参考:かつてNHK教育でやっていた家森幸男氏による世界各国の長寿研究のテキスト より 長寿地域の食の共通点










話しが逸れてしまいましたが、甲田氏が推奨する断食療法は、もともと
西勝造(1884~1959)

という人が創設した健康法なのだそうです。

この健康法には、西式体操と呼ばれるものがあり、その中には金魚運動などもあります。

むかし通販の宣伝で金魚運動のための機器というものをテレビで見た記憶があるのですが、

あの運動も西式健康体操に由来するものなのだったのかな、と今になって思います。

この西式体操には他に幾つかあるのですが、この金魚運動も含めやってみると気持ちいいものが幾つかあったので、自分の運動メニューの中に取り入れました。

自分にあった運動・体操を模索している方は参考になるかもしれません。


現代の医学は、おそろしいほどに細分化していて、人間全体を見るという視点がなくなっていますが、

昔の療法には、人間全体をみて、食事や運動、心の持ち方などの基本的な所を修正することで病を克服するという

ある意味シンプルで効率の良い、理にかなった方法がとられていることが多かったように見受けられます。

病にはそもそも、その人の欠けている点、偏っている点を自然が指摘してくれているというポジティヴな捉え方がその根底にあったように思います。

病や死を敵として撃退しようとするのではなく、それを理解し、魂の成長のいい機会としてとらえる視点が現代の医療にもっとあっていいと思うのです。

このような民間療法も参考にしながら、健康や病を人任せにするのではなく、自分にあったいい習慣を身につけていけたらと思うのです。



おしまい







参考:

家森幸男氏の著作

西式健康法

http://www.nishikai.net/japan/


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E5%BC%8F%E5%81%A5%E5%BA%B7%E6%B3%95












2009年11月26日木曜日

仙人食!?


「食べること、やめました」
―1日青汁1杯だけで元気に13年



一か月ほど前になりますが、ブログで小食や断食の効用について薦めている甲田光雄医師について紹介 しましたが、

この本は、甲田医師のもとを訪れ、小脳が委縮していくという自らの難病を克服した元患者さん、森美智代さんの本です。

彼女は甲田医師の指導のもと、最初はまともにまっすぐ歩くことも出来なかった状態だったのが、

小食や断食によって病を克服し、現在は鍼灸師をされているそうなのですが、

なんと驚くべきことに、彼女の食事は、一日一杯の青汁という生活をされているそうなのです。


甲田医師の本の中では、患者のMさんとして紹介されているのですが、甲田医師が小食や断食、生菜食を指導している患者さんの中で、

このように、一日100キロカロリーを切る常識では考えられない超小食、仙人といってもいいような食事の量で健康に毎日を暮らす人が次々と出てきたそうなのです。


森さんの場合、最初は治療のための朝食抜きの二食と生菜食(生野菜・生玄米を食す)や定期的な断食から始めていったそうなのですが、

次第に二食でも体重が増えてしまうので、一食

そしてその一食だけでもまだ体重が増えていくので、とうとう玄米もなくして青汁一杯のみになったということだそうです。

しかも、週に一日は断食をするというから、恐ろしいまでの小食です。

彼女は、この小食や断食によって、自らの病を克服したことはもちろんのこと、

さらには依然三食食べてた頃よりも体力がつき疲れなくなり記憶力がよくなり睡眠時間も3-4時間で済むようになり、

はたまた人のオーラが見えるなどの霊的な能力が自然にでてきたといいます。現在はその能力を鍼灸治療に生かしておられるそうです。


森さんの写真と、本の目次↓
















実は、甲田医師自身も自らの病を克服するに当たって、朝食抜きの二食+生菜食を実践し、その効果を体感されたことによって患者さんに薦めてきたわけですが、

甲田医師自身の診療の仕方も、まさに"手当て"というのがふさわしいような、中国の気功師のように患者さんに手をかざして診察していたのだそうです。

薬などはほとんど出さず、ほぼ食事の指導のみで多くの病を治療してしまったといいます。


森さんのように超小食になるような人は、甲田医師の指導においてもやはり特殊なケースに属するようではあったようなのですが、

それでも小食にすると、一般的に、体が疲れにくくなり、睡眠時間が減り、頭が冴えてくるというのが患者さんに見られるおおよその傾向だったそうです。

治療のために甲田医院を訪れていた三人の学生が、三人ともそろって東大に受かってしまったというようなこともあったそうです。

また自然に霊的な能力が発現してくるケースも珍しいことではなかったようです。


本書には、森さんがどのようにして甲田医師のもとを訪れるようになったのか、

そしてその指導のもと、体重がどのように減り、あるいは増えていったかということや、

また小食や断食によって、どのような内的な変化があったのかが綴られているのですが、

興味深いのは、一日青汁一杯という超小食になってから、色々な研究機関で様々な科学的な検査を受けている話しです。


このような超低カロリーでどうして生きていられるのか、はたまた体重が増えるなどということがなぜ起こるのか、

検査によると、その大きな鍵は腸内細菌にあったそうです。



つづく、、、



参考:

「食べること、やめました」
―1日青汁1杯だけで元気に13年


甲田光雄氏の著作



2009年11月24日火曜日

立花隆氏とガン



昨日のNHKスペシャル

立花隆 思索ドキュメント
がん 生と死の謎に挑む


というのをやっていました。

なんと立花隆さんが2年前に膀胱がんになり、

いい機会だから自らの治療の過程や最新の癌研究の現場をリポートしないかとNHKに打診してきたのだそうです。

自分の病をドキュメンタリーの対象としてしまうというのは、さすがジャーナリストだなと感じました。

立花さんの膀胱がんは、早期であったため転移などもなく、手術によって摘出して、いまのところ再発はないそうなのですが、油断はならないそうです。

立花さんはこれを機会に、世界中のガンの最先端の研究者たちにインタビューをし、

ガンとは何なのか、ガンをどうやったら克服できるのかを取材していました。

結論から言うと、ガンとは私たちそのものであり、ガンの根本的な治療というものも今のところないそうです。

つまり、ガン細胞は誰の身体の中でも常にできているもので、正常細胞とそう変わるものではなく、

ガン細胞と正常細胞を完全に区別するのは極めて困難なことなのだそうです。

最新の研究によると、正常細胞を支える諸々の機能が、ガン細胞を助けていることが分かってきているのだそうです。


従って、様々なガンに対抗する薬を開発しても、それは常に正常な細胞をも殺してしまうことにつながり、それが副作用として現われるのだそうです。


ある研究者は、ガン細胞は幹細胞に近いということを発表しているそうです。

つまり生命の根幹に関わる原始の細胞そのものと同じ構造をしているので、

ガン細胞のみを識別して殺すことなどそもそも不可能なのではないかとうことのようです。


放送の中では、研究室の中で50年間生き続けるガン細胞が紹介されていましたが、ガンはまさに不老不死で、増殖をし続けるもののようです。

でもこれは考えてみると、
まえにブログでもとりあげたように、もともと生物は不老不死であったことを考えてみると、

細胞が先祖がえりを起こして、その本来持っていた機能を取り戻したといえなくもないように思います。


ガン細胞の機構というのは、分子レベルで相当に分かってきたようなのですが、その模式図をみると、あまりに壮大かつ複雑で、

研究者自身もこれ全体を把握するのは不可能だといっていました。

まるで宇宙図のような複雑な経路になっているのです。


アメリカがガンに対する戦争を宣言してほぼ40年経つそうですが、

ガン治療に対する状況はあまり変わらず、ガン患者は増加の一途をたどっているそうです。


私はこのアメリカが発したガン戦争というスローガンに、昨日講演で聞いてきたばかりのアフガニスタンの状況が重なりました。

ガンは本来正常な細胞が突然ガン化して、人体を蝕んでいくものですが、ガンをとしてこれに打ち勝ち、勝利するという発想は、

アフガニスタンで、テロリストを掃討して平和をもたらそうとするという発想と通じるものがあるように感じるのです。

その根底には、悪と正義の戦いという二元論的な発想があり、正義が悪を駆逐するというイメージなのでしょうが、

もしかしたらその発想自体が間違っているんじゃないか、と強く感じたのです。

というのも、アフガニスタンにおけるテロリストは誰か?

というと、実は米軍が誤射、誤爆によって遺族を亡くした一般市民であり、無辜の市民であった彼らが報復のためのテロリストになっているのが現状なのです。

したがって、市民とテロリストを分かつことなど不可能なのであって、それを悪を排除するという考えで推し進めていっても、泥沼にはまっていくだけのように思うのです。

どうもこの構造が、ガンを敵として戦うという発想と同じなのではないかと感じてしまうのです。

そしてもしかしたらこれは、科学がもっている「物事を分割してとらえる」という分化の発想そのものに問題があり、

これが現代の文明に問題を生じされていることとパラレルなのではないかとも感じるのです。


あまり話しを拡大しても収拾がつかなくなるので、話しをガンのことに戻すと、

このブログでも再三とりあげてきたように、ガンのもっとも大きな要因は"食"の習慣にあるように思われます。

肉、乳製品、お酒、砂糖などカロリーの高いもの欲に任せて好きなだけ食べ放題に食べ、

一方でガンになってから薬で治そうとするのは、まるでアクセルとブレーキを一緒に踏んでいるようなもので、とても滑稽に感じます。

最新の研究でもわかってきているように、ガンとはそもそも私たちの細胞そのもののようで、人体内で常に生じているものです。

したがってそれを攻撃して殺すという発想ではなく、

そもそも正常細胞をガン化させないようにする

ガンが生じてもそれを爆発的に増殖させないような体の自然な機構を育むといった方が大事なのではないかと思うのです。

正常細胞をガン化させない習慣を身につける、そうした知識を一般に啓蒙していくということの方が大切だし、お金もマンパワーもずっと少なくて済むと思うのです。


今回の立花さんのレポートは、最先端の分子レベルの研究ばかりに焦点をあてるものでしたが、

もっとマクロに、人間全体を見る視点というのがあるべきではなかったのかと思い、少し残念に感じました。

どうしてこれだけ情報があり、疫学的な研究も進んでいるのに、

多くの人がミクロな方向にばかり注目し、莫大なお金をつぎ込むのか、とても不思議でなりません。

少なくとも自分と、身の回りの人ぐらいには、

食とガンにどのような関係があることがわかってきているのかを伝えていけたらと思っています。


おしまい






参考:

2009年11月23日(月) 午後10時00分~11時13分
総合テレビ

立花隆 思索ドキュメント
がん 生と死の謎に挑む

乳がんと牛乳──がん細胞はなぜ消えたのか

がんに効く生活―克服した医師の自分でできる「統合医療」


2009年11月23日月曜日

中村哲さんの講演会 @藤沢



久しぶりに
ギズモで笑えるパロディー(Tシャツのデザイン)をやっていました。




あの帝国軍の乗り物は、確かに動物っぽかったですが、、、。




R2は掃除機に見えなくもないですね(笑)。



C3POなら敵に捕まったとき、自らの保身のため、相棒のR2をゴミ箱扱いしかねないかも、、、。


さて本日は、前にこのブログでもとりあげた
中村哲さんの講演会に行ってきました。

私が一番感じたのは、私たちが報道を通して知っている"つもりになっていることは、ホンの表面的なこと、

マスコミが作り上げたイメージなんだということでした。

中村哲さんは25年にわたってアフガニスタンの復興を現地で支援してきただけあって、常に現場を見ており

アフガニスタンの現状がどうなのか、またアフガニスタンに何が必要であって、何がダメ何かをよく掴んでらっしゃると感じました。

アフガニスタンにおいて、日本のイメージは極めていい(あるいは良かった)のだそうです。

アフガニスタンのどんな農村部の、どんな貧困地へいっても日本について知っていることとして、

日露戦争、広島、長崎の原爆

があるそうです。

まず日露戦争について、あの当時アジアのほぼすべての国々が西洋列強の植民地となっていたなか、日本が唯一独立を保ち、

またロシアという強国に対して戦争を挑み、勝利したということが、アフガニスタンの人々にとって尊敬に値することだったそうです。

また、広島・長崎の原爆については、あのような焼け野原になったにもかかわらず、

そこから復興して豊かな国になったということが、驚異の出来事として、アフガニスタンの人々の眼に映ったのだそうです。


そんなアフガニスタンに対して、してはならないこととは何か、それは武力によって何かを成し遂げようとすることだそうです。

アフガニスタンは、アレキサンダー大王の東征以来、決して多民族に従属することがなかったということを誇りにしているそうです。

従って、武力によって屈服させようとしても、決してひざまずくことはないのだそうです。

日本に対するイメージがかつては良かったのですが、米軍の後方支援をすることで、かなりイメージを落としてしまったそうで、それはとても残念なことです。

アフガニスタンに対しては、決して武力で解決しようとしてもうまくいかないそうです。

またアフガニスタンという国自体、近代国家のようなという意識がなく、日本の戦国時代のような群雄割拠の状態に近いことも念頭に置く必要があるということでした。


ではどういった支援が有効かというと、

アフガニスタンの文化、風習を尊重しながら、彼らが自立できるような、彼らの身の丈に合った息の長い支援をしていくということのようです。

アフガニスタンはもともと農業国で、ソ連の侵攻の前には緑豊かなパラダイスのような所だったそうです。

今は戦争と干ばつによって、荒れ果てた土地になっていますが、アフガニスタンの国民が農業によって自立できるように支援していくことが、まず必要なことのようです。

中村哲さん率いるペシャワール会の人たちは、農業指導において、日本からコメやそばやサツマイモなども持ち込んで色々実験してきたらしいですが、

現地の人は、やはり何百年、何千年とその土地で育ててきたものを結局は食べるので、

そうした昔からやってきた農業をいかに、支援し、復興していくかということに焦点を置くようにしているそうです。

それでも、たとえばたまたま日本から持ち込んだスイカがものすごくよく取れて、一気にその地域に広まるということがあったりで、

何がその地に根付くかはわからないという側面もあるのだそうです。


重機を自ら操縦する中村哲医師(本日貰ったパンフレット写真より)↓



日本のアフガニスタン支援もこれからは民生支援の方に切り替わるそうで、それはいいことですが、

やはり現地の状況をちゃんと見据えて行わないと、何千億円というお金も有効に利用されない可能性があるとのことです。

中村氏が見てきた中で、もっともアフガニスタンにとってよくないもの、治安を悪化させているのは実は米軍なんだそうです。

米軍が入って来ることによって、その地域がおかしくなりだし、治安が悪化し、人々が暴力的になっていくとのことです。

暴力を暴力によって返さない、自分たちがいいと思っていることを勝手に相手に押しつけない、

相手が必要としていることを相手の文化を尊重しながら援助していくというのが大切で、

こういったことは、とても地味で時間のかかることですが、長い目で見ればそれがもとも有効な国際援助ということなのだそうです。

お金をいくら出すかとか、人間を何人送り込んだかとか、そういう物質的なことだけでなく、本当に大事なことは、

そこに心があるかお互いの気持ちが通じ合っているかということなんだろうな、と私は感じました。

もしお互いの心が通じ合っていて、信頼が築かれていれば、武力などで身を守る必要などなく、

逆に彼ら自身によって守られることになるのだと、中村哲さん自身が語っていました。

おそらくこのことは、他国を援助するだけでなく、人と人との間のあらゆることに言えるのではないかと思います。

同じ日本人として本当に尊敬に値する中村さんのご活躍を、これからも見守っていきたいと思います。



おしまい




参考:

本日の講演会内でも流された動画↓
http://www.youtube.com/watch?v=f9S9_txKzCM





ペシャワール会
http://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/



2009年11月22日日曜日

エンデの文明砂漠~アインシュタイン・ロマン6より~



前に
アインシュタイン・ロマン6:エンデの文明論を少し紹介しましたが、

これはその本の中にあったミヒャエル・エンデの写真です↓




あれっ?、なんでエンデさんが和室にいるの??

と思っていたら、本文によると何とエンデの奥さんは、彼の本の翻訳者である佐藤真理子さんなのだそうです。

ぶったまげーーー!

これって有名な話しなのでしょうか。私は初めて知りました!?

エンデの話しには、ファンタジーと現実の世界が錯綜する東洋的なところがありますが、

日本人と結婚してしまうということはもともと東洋的な所が相当にあったんでしょうね。


さて、アインシュタイン・ロマン6の中では、画家であったエンデさんの父エドガー・エンデさんの絵も何枚か紹介されていました。






このお父さんもまた神秘思想家のような手法で絵のインスピレーションを得ていたそうです。

それは暗室にずっと籠って、イメージがパッと出た瞬間に、それを絵にするのだそうで、

したがって本人にもなぜそのような絵になったのかが説明できないのだそうです。

私はこの話しを読んだ時、チベット僧が石で造られた部屋や洞窟に籠って2-3年、長い人だと数十年と修行する様子を思い浮かべました。

チベットには様々なマンダラがありますが、彼らも同じような状況で鮮烈なヴィジョンを得たものと思われます。



時間・空間を表すコンピューターグラフィック
Ⓒカーネギー・メロン大学 アインシュタイン・ロマン6より



下はエンデの描いた今回のテーマである文明砂漠のイメージ↓





エンデは現在の人類の知が分裂した状況にあることを警告しています。

一つは科学的な知で、もうひとつは宗教的な知です。

西洋の科学者は、月~金には科学的な知の原理のもとに働き、週末になると教会に足を運び神に祈りを捧げる。

これは人類の陥ってしまった一種の精神分裂病であり、それが文明を荒廃へと導いているのではないかと指摘していました。


科学の考え方は、キリスト教のドグマに対する反発に端を発しています。

誰か権威のある人が言ったから、経典にこう書いてあるから世界はこうなんだという考え方ではなく、

自然現象を観察し、そこから得られる情報をもとに万物を解釈していこうとするのが科学です。

科学が前提としているのは、「観察」、すなわち誰でもが確かめることのできること再現可能性のあるものを扱うということです。

それは数値化できるということでもあります。

科学は科学が扱える現象、数値化できる現象のみを扱うのであって、

従ってそもそも科学が扱えないものもこの世にはあるということが前提となっています。

つまり科学は、平均的な人間の知覚力をもとに構成された知の体系です。

しかし一方、宗教的な知というのは、特殊な人、特殊な意識状態によって感得された知の体系であり、

そのような人たちと同じ見解を得るには、観察者自身の知覚力の向上=修行が求められます。

たとえば、を例に挙げれば、夢を見ないという人にとっては夢は存在しませんが、朝起きた時に夢を覚えていようと意識することで、多少夢をを覚えていることが出来ます。

またレム睡眠をしている人を起こせば、その時にな夢を見ていたことをその人自身に意識させることが出来ます。

このように、意識を注ぐとによってはじめて見えてくる世界というのがあることがわかります。

このような「特殊」な意識状態によって感得される知と、平均的な知覚力によって得られる科学的な知をどのように統合させていくかということが、今後の人類の課題になって来るのだと私は思います。


面白いことに精神分裂病は、現在、統合失調症と呼ばれます。

そもそも科学的な知と宗教的な知とが別々にあるのではなく、本来は一つのものなのだと思います。

人間に与えられている理性を無視し、盲目的な信仰を説くことを強要した反動で、理性に重きを置く科学に振り子が振れたのが現在であって、

本来宗教的な知も、理性を活用しながら、自ら体験を通じて確かめていくことの出来る世界だと私は思います。

科学的な分析能力を保ちつつ、自らの内なる世界を探求し、物質的な知と従来の宗教的な知をなんの矛盾もなく統合するというのが

「統合失調症」におちいってしまった人類の進むべき方向なのではないかと私は思うのです。



タト・トワム・アシ


本書の中に、この言葉が紹介されていました。

これは「汝はそれなり」という意味のインドの言葉です。

個(アートマン)という視点で見るとバラバラに見えるものも、大きな視点から見るとすべては分かちがたく一体をなしているのかもしれません。

人類がこのような視点に立てるかどうかが、今後の文明が不毛な砂漠になるのか、豊かなオアシスになるのかの分かれ目になるのではないか、

と今回のエンデの文明論を読んで思いを新たにしました。


おしまい





参考:

科学の方法 (岩波新書 青版 (313))

エンデの文明砂漠 ミヒャエル・エンデと文明論 (アインシュタイン・ロマン)


佐藤真理子さんの翻訳本







2009年11月21日土曜日

ユニクロでお買いもの♪♪



本日ユニクロでお買い物をしてきました↓




これはフリース製のシャツです。こうしてみると、白黒のようにみえますが、





実際はブルーが程よく混ざっていて、とてもいい柄です。

実はこのフリースのシャツ、先週ユニクロに行ったとき一目見て気に入っていいなぁーと思っていたものでした。

その時はバーゲン品ではなかったので、とりあえず待ってみるか、とグッと我慢して買いませんでした。

本日朝、ユニクロの広告をネットでチェックしてみると、

http://www.uniqlo.com/jp/shop/chirashi/index2.html

なんと予想的中、待った甲斐がありセール対象品となっていました。


この前は1990円でしたが、本日は990

喜び勇んで買ってきたのであります。

私は軽くて機能的、いろんな柄を楽しめるフリースが好きで昔から着ていますが、フリースのシャツというのは初めてでした。

フリースはジャケットとして、シャツの上に着るものと思っていましたが、考えてみたらシャツ自体をフリースにしてしまえばより温かいし、いろんな柄も楽しめます。

実際着てみると、ポカポカして、手放せなくなりそうです。今度からはフリースもシャツとして着るという発想で品物を探してみようと思います。


さて、ユニクロのお店ですがスゴイ人出でした。

本日のヤフーニュースにも記事がありました。

ユニクロ 早朝セールに大行列 創業60年記念


私の行った店もレジの前には、見たことのないような長蛇の列が出来ていました。

開店60周年記念とかで、5000円以上買うと1万円が当たっちゃうかもしれない特典があるからでしょうか。

長いレジを待つ間、近くにユニクロの冊子があったので手にとって見ていました。



私は知らなかったのですが、ユニクロは障害者の雇用に積極的に取り組んでいるようです。

ただ安いだけじゃないんだなぁ~、へぇー、と感心してしまいました。自分の経済活動が、社会貢献につながっていると思うと少し嬉しい気がします。

イオンのコマーシャルで、世界中に樹を植えてますなんていうのをやってますが、

これからはこういう企業の社会貢献の活動をもっと積極的にアピールしていっていいんじゃないかなと思います。

実はこのイオンの植樹プロジェクトを指導しているのは、

かつてこのブログでも少しふれたことのある
森づくりの真のエキスパート宮脇昭さんなんですよね。

そういえばこの前、
世界を変える100人の日本人という番組でも取り上げられていました。

80を超えているのにまだまだ現役で、世界にホンモノの森をつくっていくと力強く語っていた姿が印象的でした。


ユニクロの話しに戻りますが、ユニクロは接客態度がとてもいいなぁと感じました。みんなスタッフがニコニコしていて、親切で、とても気持ちがいいです。

私は知らなかったんですが、ユニクロはかつてフリースではじけてから一端業績がかなり落ち込んだそうです。

それを立ち直らせたのが、経営コンサルタントの大久保恒夫という人だったそうです。

NHKプロフェッショナル 仕事の流儀
人が変われば、会社は変わる
小売再建 大久保恒夫


で取り上げられてやっていたのですが、ユニクロの他に、無印良品なども復活させたそうで、番組内ではスーパーの成城石井に取り組んでいるところを放送していました。

彼のポリシーはいたってシンプルで、

品切れがないか、掃除が行き届いているか、そして、あいさつができているか

という3点を常にチェックするのだそうです。

これがお客さんに喜んでもらうためのポイントなのだそうです。

番組内で彼は

売り上げのことは気にしなくていいです

と指導していたことがとても印象的でした。

経営をしているとついつい目先の利益に目がいきがちになるそうですが、

お客さんに喜んでもらうこと、その結果利益が出る、という経営の本質的なところを指導されているようでした。

番組内では以下の三つの視点をメインに取り上げられていました。

小売の仕事=客に喜んでもらう

目先の利益を追っていては、成長できない

自ら考え、動く"人"を育てる


そういう視点で今回行ったユニクロの店舗を見てみると、

その教えが十二分に生かされており、店を訪れたお客さんが楽しくなるような雰囲気が漂っていたように感じました。

心がけ一つで、会社ってガラっと変わるんですね。 面白いものです。










参考:

ヤフーニュース、ユニクロの記事全文↓

カジュアル衣料「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは21日、全国のユニクロ店舗の半数に当たる約400店で早朝セールを実施した。

前身の紳士服店創業から60周年となるのを記念した企画で、銀座店(東京)2000人、新宿西口店(同)1200人、梅田店(大阪)650人など、開店時には各店で若者らを中心に大行列ができた。

 早朝セールは、84年、広島にオープンした第1号店の開店時間にちなみ、午前6時にスタート。各店先着100人にはあんパンと牛乳が無料で配られた。

この日は、通常1500円の保温肌着「ヒートテック」を600円にするなど数量限定で特価商品を用意したが、すぐに売り切れたという。

 キャンペーンは年末まで。購入額5000円ごとに、1万円の現金が10万人に当たるくじを配布する。



2009年11月18日水曜日

リーマン予想 その② -The Riemann Hypothesis ②-



多くの数学者がリーマン予想の解明を敬遠するなか、ひとりコツコツと研究を進める数学者がいました。




それが、ルイ・ド・ブランジュ博士です。

彼はこれまで三度、リーマン予想を解いたと発表し、その都度間違いを指摘されてきたそうです。

そのため狼少年と揶揄されることもあったそうなのですが(笑)、そんな嘲笑など意にも介さずリーマン予想の解明に心血を注いできたのでした。

彼は研究を重ねる中で、素数の配列がミクロの世界と密接に関連しているのではないか、と直感したのだそうです。




それはどういうことかというと、光がプリズムを通ると、




その波長の長さによってそれぞれが屈折し、虹色の模様を見ることが出来るのですが、

その屈折されたそれぞれの波長の光が投射される位置と、リーマン予想のゼロ点の位置に関連があるのではないか、と直感したのだそうです。




素数とミクロの世界が関係している???

と多くの人は取り合わなかったそうですが、そんななかある偶然の出会い驚異的な発見をもたらすのです。


それは1972年、アメリカのプリンストン高等研究所でのことでした。




物理学者のフリーマン・ダイソン博士が、お茶の時間にこの研究所をふらりと訪ねるのです。




ダイソン博士は、そこにいた数学者のヒュー・モンゴメリ博士と何気ない会話を始めました。




お互いの研究がどういうものかを話していく中で、

ヒュー・モンゴメリ博士は、自分の研究であるリーマン予想のゼロ点の位置が、もともとの素数の出現がランダムであるにもかかわらず、

比較的均等に出てくるんですよ、と数式を示して説明したのだそうです。

すると、その数式をみた物理学者のダイソン博士の顔つきがみるみる変わっていったのだそうです。

なんとリーマン予想におけるゼロ点の間隔を示す数式が、ダイソン博士の専門である原子核のエネルギーを示す数式とまったく同じだったのです。




これはどういうとかというと、

原子の中心にある原子核の質量は、あるとびとびの値を取ることが知られており、そのとびとびの値を求める数式があったのですが、




その数式がまさにリーマン予想におけるゼロ点の位置を示す式とピタリと一致したのです!




凄すぎる!!

テレビを見ていた私でさえ、興奮して鳥肌がたったぐらいですから、本人たちの感動はどれほどのものだったのでしょう、想像もつきません。

このことは取りも直さず、先のルイ・ド・ブランジュ博士のミクロの世界と素数の配列に関連があることを示すものでした。

これがひとつの契機となって、数学者だけでなく、物理学者なども含めた200人に及ぶ世界の頭脳が結集し、リーマン予想について考える会議が1996年に催されたのです。




その会議において、あるひとつのリーマン予想の解明につながる道筋が示されました。

それは数学界最高の頭脳と称される アラン・コンヌ博士によってもたらされました。




彼の専門は非可換幾何学(ひかかんきかがく) と呼ばれるもので、




私たちが一様だと感じているこの空間がひずみのある小さな断片によって成り立っているとする幾何学なのだそうですが、





この幾何学は、ミクロの世界に対する新しい考えを提供するもので、

この幾何学を使うことでミクロの世界とリーマン予想の関連が解明されるのではないかということが見えてきたのだそうです。


ある数学者は、素数の配列に隠された暗号を解くことは、ミクロの世界から宇宙全体に至る万物を司る法則

すなわち創造主による宇宙の設計図がわかるのではないかと述べているそうです。


そんな流れの中、はじめに紹介したルイ・ド・ブランジュ博士は、四回目となるリーマン予想の解法を、、、







完成させるのです!?





そして口笛をふきつつ、論文をつめたカバンをもって自宅を出ていくシーンで番組は終わっていきます。







さて、彼の解法がこの二年間の検証に耐え、狼少年の謗りを返上するとが出来るのか、楽しみであります。。。


番組を見終えて感じたことが幾つかありました。

まずその一つは、難解な事柄をわかりやすく解説することの重要性です。

おそらくこういった知はまだまだ各方面に埋もれているのだろうと思うのですが、

専門知識のない一般の人にもわかるように翻訳して社会に還元してくれることは極めて重要だと思うのです。

というのも、たとえば私たちは中世の宇宙観、

地面が平らで、大地の周辺は滝になっていて、太陽や星々はその大地のまわりをまわっているとする世界観をもっていても、

多くの人にとっては日常生活になんら支障なく過ごすことが出来ます。

しかし、地面は丸くなっていて、地球こそが太陽の周りをまわっているという世界観を知ることで、この現実に対する新しい認識の枠組みを得ることが出来ます。

それとおなじで、素数とミクロの世界がリンクしているかもしれないという画期的な発見は、この世界に対する新たな視点をそれぞれの人の中に植え付けることになると思うのです。

人は様々な現象をより単純な枠組みで理解しようとしますが、その時にこのような観点を知っているかいなかで、発想に大きな違いが出てくると思うのです。

そういう意味で、こういう最高の知を一般の人に分かりやすく伝えるというのはとても重要な仕事だと思うのです。

このような数学関連の知でいうなら、フラクタルの発想は極めて重要であると感じます。

フラクタル的な発想は、私たちが人生、自然、宇宙そしてあの世(?)を考える上で欠かせない知の枠組みといえると思うのです。

なんせこちらは、マンダラの世界と対応しているのですから、、、。


また番組を見て思ったことの一つは、垣根を越えて知を共有することの重要性です。

お茶の時間にたまたま二人の学者が雑談することで世紀の発見に至ったわけですが、

逆に言うとそれだけそれぞれの専門の世界の壁が厚く、高く、お互いの知を共有することができなくなっているということです。

これはとてももったいないことです。

こういう垣根を越えた知の交流というものをもっと意識的に色々な場でもつことで、様々な素晴らしいアイデアが出てくるのではないかと思うのです。

またこの出会いが、お茶の時間=息抜きの時間、遊びの時間に起こったというのも注目すべき点かなと思います。

遊びの時間などもったいないと考えていたら、こういった飛躍的な進展もなかったわけで、時間的、空間的に遊びの場をしっかり確保するというのは、

大きな視点からすると、遊びなしで突き進むよりプラスになっていと思います。


またもうひとつ、番組をみて感じたことは、こういう知識を学校で是非教えてほしいということです。

なんでこんな素晴らしいことを教えないのか、ホントもったいないことです。

オイラーが発見した式は、「素数」と「円周率π」の知識さえあれば理解できるものです。

このような知の神秘に小さいうちから接することで、世界には不思議なことがたくさんあるんだなぁ~と実感して、自然とその分野に興味を持つようになると思うのです。

こうして興味をもってしまったら、もう誰も止めることが出来ません。

あとは興味のある人は自動でどんどん知識を深めていくことでしょう。

こういった感動=「自動学習の種」みたいなのを授業の中でどんどん播くことで、

学生は学ぶことの楽しさを知り、カタにはまらない学習というものを身につけていくと思うのです。

なんどもこのブログでも書いている、意欲を育む教育というものを、こういう感動体験に接しさせることで育んでいけたら、面白いことになって来るのではないかと思うのです。


しかし今回の番組は本当に面白かったです。

是非、是非、このような素晴らしい番組をこれからもどんどん作っていってほしいです。

NHKさん、どうも有り難う!



参考:

非可換幾何学(ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%9E%E5%8F%AF%E6%8F%9B%E5%B9%BE%E4%BD%95