2009年6月13日土曜日

江の島の浮世絵(歌川国芳)~其の弐~ 〔Ukiyoe by Utagaw Kuniyoshi part4〕



前々回に引き続き、広重国芳江の島の浮世絵を見ていきたいと思います。


逗子から見た江の島




広重:相州七里ヶ浜の図〔1860〕


これは七里ガ浜からみた江の島ですが、これを国芳が描くと、、、





国芳:山海名産盡 相模ノ堅魚 説明








国芳:風俗女水滸傳壹百八人ノ内 魯俊儀








国芳:七里が浜より江のしまの遠景 説明








国芳:無題(江の島富士遠望)


こんな感じになるようです。

やはり国芳は、色々とデフォルメするのが好きなようです。

景色や人や動物の少し不自然なカーブが、かえってそれらを生き生きとさせ、引き立たせているように感じます。


下は、私の手元にあった広重の浮世絵の最後の一枚で、江の島弁財天開帳時の参詣の様子を描いたものです。



広重:江の島弁財天開帳詣〔1852〕


昔は、江の島の弁財天さんはふだん公開されていなかったのでしょうか。

国芳の絵に、江の島の弁財天さんを描いたものがありました↓




国芳:無題(江の島弁才天)



着物の柄の緻密なこと。そして色遣いも素晴らしい。

私は江の島にお参りに行く折には、必ず上のお堂まで登り弁財天さんにお目にかかりに行きます。(有料)

お堂の中には二体の弁財天さんがいらっしゃるのですが、









いつも見るたびにハッと息を飲んでしまうのは、右側の八臂の弁財天さんです↓




とても穏やかなお顔をされていて、




ひきつけられるものがあるのです。確か鎌倉時代のものだったかなと思います。

アリガタイ、アリガタイ(合掌)


また江の島の上まで行った時は、たまに植物園により、灯台にも上ります。

昔はかしいでいて、上るとこれ大丈夫か?と思うような感じでありましたが、いまは新しくなってます。




ここで外に出て、大海原を見ながら潮風にあたるのが最高なのであります。

(灯台についているライブカメラからの景色が見れます。※混雑時は見れないこともあります)


さて、国芳が藤沢を描いたものに東海道五十三次の宿場町としての藤沢のものがありました↓


東海道五十三対 藤沢 説明



なんでこれが藤沢?

と思いました。

これは小栗判官照手姫 という物語の一場面だそうです。

昔は藤沢というと、誰でもこの物語を思い浮かべるほど有名だったそうです。私は今回初めて知りました。



藤沢に関する浮世絵を検索してみると、

市の電子博物館 みゆネットふじさわ
http://www.mus.city.fujisawa.kanagawa.jp/php/history_type.php

というサイトに更にたくさんの浮世絵がありました。

藤沢って昔からかなり有名なスポットだったみたいです。


さいごに、上のHPの中から、目を引いた浮世絵を載せておきますので、どうぞご堪能ください。



北斎:冨嶽三十六景 相州江の嶌






広重: 冨士三十六景 相模江之島入口






広重: 相州江之嶋岩屋之図






広重: 本朝名所 相州江ノ嶋岩屋之図







広重: 諸国名所百景 相州七里が浜







広重: 不二三十六景 相模七里が浜風波






広重: 冨士三十六景 相模七里が浜




こうして見てみると、広重も必ずしも写実的なものばかりでなく、遊び心を感じさせる生き生きとした作品が多くあることが分かります。


浮世絵なんてあまり興味もなくよく知りませんでしたが、

今回調べてみて、いろいろなことが分かりました。

日本人の持つ美的感覚というものは、繊細かつ大胆で、遊び心にあふれ、世界中見渡してもかなり特異なのではないかという気がします。

私たちの祖先が伝えてきたこういう素晴らしいものをしっかり認識しなおし、伝えていかなければなぁとおもうのです。



おしまい。




参考:

藤沢を知る「小栗判官・照手姫」
http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/kyobun-c/page100022.shtml

小栗判官照手姫〔ウィキペディア〕
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%85%A7%E6%89%8B%E5%A7%AB

電子博物館 みゆネットふじさわ
http://www.mus.city.fujisawa.kanagawa.jp/php/history_type.php

江の島マニアックさんのHP
http://images.google.co.jp/imgres?imgurl=http://mirabeau.cool.ne.jp/enoshima/ukiyoe/42.jpg&imgrefurl=http://mirabeau.cool.ne.jp/enoshima/ukiyoe/kuniyoshi.html&usg=__OJKWN1bNWksMrdpnyR2VCIlFFes=&h=340&w=290&sz=24&hl=ja&start=1&sig2=MFpgdT31qmGzgmj61HgS9g&um=1&tbnid=_aEQ9mEBqtonjM:&tbnh=119&tbnw=102&prev=/images%3Fq%3D%25E6%25AD%258C%25E5%25B7%259D%25E5%259B%25BD%25E8%258A%25B3%26hl%3Dja%26rlz%3D1T4DAJP_jaJP265JP265%26sa%3DX%26um%3D1&ei=SsofSrf0KsKdkAXbm7D9BA

新湘南伝説
http://www.dailywork.co.jp/title_002/02_001.html

広重の5枚の浮世絵の解説↓










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