2009年6月17日水曜日

ネオテニー化した日本人の脳 ≪part.2≫



先日アメリカのピアノコンクールでみごと優勝を果たした全盲のピアニスト

辻井伸行さん


について調べていたら、彼が演奏している動画がいくつかありました。

下の曲はとても美しい旋律だったので、ここに貼り付けておきます。

曲を聴きながらでも、気楽にブログをお読みください。

川のささやき (Whisper of the River) - 辻井伸行 (Nobuyuki Tsujii)




さて、引き続き 沢口俊之著 南伸坊著『平然と車内で化粧する脳』の内容を紹介していきます。

私がなるほど、と感じたのは下の「性格は遺伝する」の個所でした↓




確かに犬は犬種によって性格が著しく異なり、それは環境とかしつけとかいう以前の問題ですよね。

ただ人間の場合、性格を構成する要素がいくつもあるので、その組み合わせによって表われ方は多様になりうるだろうとは思います。

しかしそういう目で自分の家系、身近な人の家系を見てみると面白いかななどと思いました。


さてネオテニー化が進んだ日本人の脳を育てるには、どのようなことが必要なのでしょうか。これはこの本の主題でもあります。

著者の澤口さんは、脳科学の立場から次の三つの項目をあげています。

①幼年期の適切な教育

②大人になっても知性を伸ばす

③食事





人間は他の動物に比べると、相当な未熟児の状態で生まれます。生まれたての新生児は自分ではまったく何も出来ません。

馬や牛などは、生まれてすぐに立ち上がりますが、人間が立って歩けるようになるには一年ぐらいたってからです。

そういうところから見ても、人間は他の動物に比べて、生まれてからの「伸びしろ」を多くとっているといえるのでしょう。それが人間のとった生存戦略だったのです。

ということは即、人間にとって生まれてから以降の教育がいかに大切かということだと思います。

その教育には、運動の習慣も含まれます。

以前に何回か取り上げた
ブレイン・ルールの中では、第一にまず運動の大切さを挙げていました↓




運動の習慣は幼年期だけでなく、大人にとっても大切で、運動の習慣によって痴呆症の発生率がぐんと減るといいます。


また、幼年期の教育には、当然何を食べるかという「」に関することも関わってきます。

前に縄文顔と弥生顔のところ(
日本人の顔は変わる )で紹介したように、小さいころからやわらかいものばかりを食べていると、歯並びが極めて悪くなり、


(画像をクリックすると全体が映ります)



また脳の発達にも影響を与えるそうです。

このように、幼年期に何を食べさせるかは、教育とともに極めて重要なテーマですが、

本書で述べている脳にとって良い食事に関しては、次回にゆずりたいと思います。



さて幼年期を過ぎた私たちにとって嬉しいのは、大人になっても知性は伸びるということです↓。







ここで述べられている大人になってから伸びる知性、

クリスタライズド・インテリジェンス


というのは、響きのいい言葉だなと思います。

何歳になっても自分で自分に限界を設けることなく、

興味のあることはやってみる、楽しいと感じることは追求してみるという姿勢は持ち続けたいものだなと思います。


そういえば、まえに
元気が出る、出る!のところで取り上げた、教育学者の斎藤孝さんは、

楽しいことをたくさん見つける(偏愛マップの作成)

楽しいことにエネルギーを惜しみなくつぎ込む

楽しいことを他の人と共有する


と元気が出てくるとおっしゃっていました。おそらく脳科学の立場からしても正しいのでしょうね。



ゲーテのことば

何事も延期するな、
汝の一生は不断の実行であれ。


『ウィルヘネルム・マイステルの遍歴時代』より




つづく、、、






参考:

〔アマゾン〕
沢口俊之著 南伸坊著『平然と車内で化粧する脳』扶桑社 2000

ジョン メディナ (著), 小野木 明恵 (翻訳)
ブレイン・ルール [DVD付き]
日本放送出版協会 2009

ブレイン・ルールの動画(運動に関して)↓







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