2009年6月5日金曜日

日常の動作を見直す~四股の姿勢~



前に江原さんと教育学者の斎藤孝さんが対談している番組を取り上げましたが、

http://mshiko.blogspot.com/2009/05/blog-post_31.html

あそこで四股についての話しがでました。


四股の語源を調べてみると、「」からきているそうで、本来は

強く恐ろしいこと。強く頑丈なこと。


という意味だそうです。

また古事記には、葦原醜(色許)男神(あしはらシコをのかみ)=大国主命(みこと)として、「醜」が出てきているそうです。


最近合氣関連で、



合気開眼


という本を読みました。

著者の保江氏は物理学者で、やはり大東流合氣柔術の佐川道場に通っていたのだそうです。

数学者で佐川氏の合氣を体得した
木村達 氏とは先輩、後輩の関係にある方だそうです。


この本は、単に武術の事ばかりでなく、

カソリックのある隠者、それもキリストを思わせるような清貧の行者との出会いなどが描かれていて、

合氣の習得もその出会いとの関係で描かれており、引き込まれるようにして読んでしまいました。


その関連の記述として、映画の「king of kings」というキリストの生涯を描いた映画




があるそうなのですが、

このシーンでキリストが巨躯の暴漢に掴みかかられ、彼を軽く制してしまうというシーンがあるそうです。

著者はこれは合氣なのでは、と思ったらしいのです。

本文によると、この映画をつくる際に監督が助言を求めたのが、

あの『ヒマラヤ聖者の生活探求』の著者だったということが書かれており、驚いてしまいました。


さて、話がすこしそれましたが、

この本の著者保江氏も、木村達雄氏に強くなる秘訣として、

四股を踏むこと

といわれ、それを実践したときの話しが載っていました↓







木村氏は彼の著書

合気修得への道-佐川幸義先生に就いた二十年-』 合気ニュース 2005

の中で、合気について以下のように語っています。

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それは、結局ある意味で物質としての肉体を超えたところでもあるのですが、しかしそれは肉体を通さないとできない。

そういうことがだんだんわかってきた。

体を、たとえば毎日、四股を千回、多い時だと一万回、一日に五時間くらいやって鍛えた。

そういうものをずーっとやって十四年ぐらいたった時に、いったい私は何を鍛えているんだろうと思ったのです。

その時にはっと気づいたのです。鍛えているのは筋肉じゃないんだ。体の内部にある何かを鍛えているんだと

だから非常に肉体の波動に近いけど、肉体でない肉体というか、そこがどうも四股を踏むことで強化されているみたいだという感じがだんだんわかってきたわけです。(p.104)


体当たりされても足を踏ん張って倒れないようなロボットを作ろうとしてみると、その難しさが分かります。

<中略>

押しても倒れないためには、人体に何らかの非物質的なシステムが働いていて、それが押しても倒れない強さの本当の理由だと考えるのが自然です。

つまり人体は物質的システムである目に見える肉体と、目に見えない非物質的システムから構成されていて、非物質的システムが肉体の動きの安定や強さを担当していると思われるのです。(p.143)


合気とは何か?私の感覚では、この非物質的防御システムを切ってしまう技術だと言えます。

その電源を一瞬切ってしまう技術です。そうすると単なる物質的な肉体だけになるので、抵抗することができなくなるのです。(せる144)


ただこのシステム理論だけでは説明できないこともいくつかあります。

ひとつは、合気で投げられると単に気持が良いだけではなく、すごく元気になることです。(p.147)

-----------引用終了-----------------


私は最近の相撲を見るにつけ、なんであんなにモンゴルの人は強いのか、、

と思うのですが、もしかしたらこの四股の姿勢というのが何か関係しているのではないかと思うのです。


それは日本人が昔からの生活の中で当たり前にでやっていた姿勢、

和式便所でかがむことや、正座の姿勢などのように、

床にしゃがんで、立ち上がりという動作が椅子とテーブルの生活になったことで、圧倒的に少なくなったことも大きな要因ではないかと思うのです。


私は現在のモンゴル人力士の顔を見ていると、昭和の時代の力士を思い出すのですが、日本人力士でそのような面構えの人がいないのは、時代の流れなのでしょうか。

ハングリー精神というのはもちろんあるのでしょうが、食事も生活様式も西洋式になって

どこか日本人が骨抜きにされてしまったような感があるような気がします。


私は上記の合氣の本を読んでから、普段の運動メニューのスクワットの数を多くし、

また四股を取り入れてみましたが、自分の身体感覚に色々な発見がありました。


昔から足・腰といわれますが、あれは単なる筋力としての足・腰だけでなく、

木村氏のいうところの人間を倒れにくくしている非物質的システムを含んでの足・腰といういみだったのではないかという気がします。

これからの予防医学における運動も、このような点を視野にいれると、さらに効用が増すのではないかという気がしています。



おしまい。




参考:

木村達雄 〔ウィキペディア〕
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%A8%E6%9D%91%E9%81%94%E9%9B%84

映画「キング オブ キングス」(goo映画情報)
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD2472/

保江邦夫氏の著作
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-url?%5Fencoding=UTF8&search-type=ss&index=books-jp&field-author=%E4%BF%9D%E6%B1%9F%20%E9%82%A6%E5%A4%AB

保江邦夫氏のHP
http://www.yasue.net/

彦兵衛ブログ〔神技は存在した〕
http://mshiko.blogspot.com/2009/02/blog-post.html

四股の踏み方〔普天王さんのブログより〕
http://ameblo.jp/futenou/entry-10003634881.html

(ただし、木村氏の著作の中だったと思いますが、四股の踏み方は相撲取りのものとは違うということが佐川氏の談として書かれていたように思います。

しかしとりあえず、相撲取りの四股から入って自分なりに色々研究していると見えてくるものがあるようです。)




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