2009年6月1日月曜日

ザ・カップを観て≪その壱≫ 〔After Seeing The Cup 1〕






前に映画のザ・カップ~夢のアンテナ~について少し触れましたが、

ザ・カップ 〔The Cup〕


観てみると、噛めば噛むほど味の出てくるスルメのように、とても味わい深い、実に素晴らしい映画でありました。

ということで、このブログで何回かに分けて紹介していこうと思います。

(今回は今後観る人がいるかもしれないので、ストーリーが分からない程度に紹介したいと思います。)


しかし正直言うと、映画をひと通り観終わって、

えっ、これでおしまい!?


と思いました。

ストーリー自体に起承転結はちゃんとあって、それなりに盛り上がりもあり、終わった後もほんわかとしたあたたかいものが残るのですが、

単純でドギツイハリウッド映画に慣れ切ってしまっているせいか、ストーリーがあまりに飄々としていて、

監督の伝えたかったことはなんだったのだ?、何がこの映画の主題だったのだろうか?

と終わった後考えてしまうのです。


しかしそういう視点で、

そういえば、あれはどうしてああだったんだ?

なぜあそこにあの人がいたんだろうか?

などと思いをめぐらしてみると、

実に深い教えがストーリーの中に折りたたまれていることに気づかされ、感服してしまうのです。


私はこの映画を見た後、ある物語を思い出しました。

それはブータンの民話で、日本の藁しべ長者の話しと似ているのです。

ある人が藁しべからだったか、とにかく色々なものと交換して行くのですが、

最後には通りすがりの人の歌っていた歌と交換して、最終的に本人が石に躓いて、その歌を忘れてしまうというのです。

『ブータンの民話と伝説』クンサン・チョデン/今枝吉郎・小出喜代子 白水社 1998

私は日本の結末と異なる話の展開に新鮮さを感じるとともに、ある種のすがすがしさを感じしました。

それはもしかしたら、日本の藁しべ長者が「交換」を通じて物質的な富を得るのに対して、

ブータンの民話は、交換することによってある種の精神的な富を得るという展開になっているからなのかもしれません。

すなわち、交換を通じてすべてを失ってしまうというのは、ものごとの本質は空性(くうしょう)であるという、悟りの境地を匂わすようなストーリー展開になっているからなのかもしれません。


この民話を読んだ時の感覚が、この映画にもどこか通じるものがあるように思いました。


何せ作った監督は、ブータンの人なので当然といえば当然かもしれません。

しかもブータンでは知らない人がいないほど有名なチベット仏教の高僧なのであります↓






今回は、この映画に登場するキャラを紹介してみようと思います。



まずは主人公のワンパク小僧です↓




勤行中もイタズラばかり。


そして、サッカーちょー好き!!




でも肝心の仏教のお勉強の方は、、、




あまり身が入らないようであります。

(お隣で居眠りしているお坊さんにも注意)

この小僧、マウンテンバイクに乗ってました↓






撮影地のビル〔Bir〕は実際こんな感じの風景がずっと広がっているところなのですが、

その中を赤い僧服を着た坊主がマウンテンバイクに乗って颯爽と走っている姿というのが、なぜかあっているんですよね。


この坊主役、実は役者でなく本当のお坊さん!

それにしては、あまりに堂々とした演技が光っていました。





次に紹介したいのが、同じ修行仲間なのですが、なぜかいつも眠っているお坊さん↓




瞑想をしているわけではなく、、、

勤行中でもグーグー寝ちゃってます。




しまいには、坊さん仲間たちから、






居眠りをしていることをネタに、お金を巻き上げられてしまう始末。。。

しかし、このお坊さんが最後の最後にピカリと光るんですね、、。

それは観てのお楽しみです。


そしてもっとも愛すべきキャラが、、、




このヨーガ行者。

これはもらった台所用の洗剤で頭を洗っちゃっているシーンです(うぷぷっ)。


いつもこんなところにいて、、







小僧にいたずらされたりしています。


よくこんな感じで、いつもマニ車をぐるぐるまわしています。




占いがよくあたるようで、





一目見ただけで、



と言いきっちゃっています。こうして占いをしてお金をもらったりもしているそうです。


このヨーガ行者も、驚くべきことに実際のラマ僧




こういう何気ないシーンにもたびたび出てきていました。(いいなぁー)




またそれほど際立ったキャラではありませんが、味のある演技をしていたのが、僧院長




いつもチベットに帰る事を夢見ていて、常に荷造りをしているという愛すべキャラなのであります。




この僧院長も、実際のお坊さんであるとのことです↓





つづく、、、




おまけ、、、



映画のシーンにちらっとチベット絨毯が出てきていました。

やっぱチベット寺院にあるのが一番合いますね。


私はチベット絨毯の上で毎日チベット体操をしています。

よかったらお店のチベット絨毯も見てってね~(たまには宣伝)

http://www.shop-online.jp/swayam/index.php?body=list&category_id=52415&PHPSESSID=a20085ead374c5a2fe8b628d2b10b67b


チベット絨毯作成風景↓
http://picasaweb.google.co.jp/mshikon/MakingTibetanCarpets#


色々なチベット絨毯↓
http://picasaweb.google.co.jp/mshikon/VarietyOfTibetanCarpets#






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